皆様、こんにちは。富士山の麓、静岡県で清酒「富士錦」を醸しております、富士錦酒造でございます。

今年もまもなく終わりに近づき、清酒の新酒の準備と並行して、「お歳暮」の季節を迎えます。一年の労いと、日頃お世話になっている方々への感謝の気持ちを込めて贈るお歳暮は、日本人として大切にしたい美しい文化です。

今回は、お歳暮の基本的な知識、贈る上でのマナーやルールを、富士錦酒造の蔵元ならではの視点を交えて、さらに詳しくご紹介いたします。

はじめに：お歳暮は「一年を締めくくるご挨拶」

「お歳暮」とは、単に品物を贈る行為ではなく、「一年間、お世話になりました。今後ともよろしくお願いいたします」という、継続的な人間関係への敬意を込めたご挨拶です。
この習慣は、江戸時代の商人や長屋の住民が、取引先や大家に対し贈り物を持参した年中行事が起源とされています。また、年の瀬に先祖の霊に供物を捧げた「御魂祭（みたままつり）」の供物を親族に配った風習もそのルーツ。つまり、感謝と、新しい年への平穏を願う気持ちが、お歳暮には深く込められているのです。

特徴を持ち、まさに自然の恵みと言えるでしょう。
この水により、食や酒以外にも地元の産業、特に医薬品製造や紙、精密機械の産業が発展しました。

心得一：贈る時期と「熨斗（のし）」の表書きの正しい選び方

お歳暮のマナーの中で、最も重要なのが「いつ贈るか」です。

■ 理想的なお届け時期

お歳暮は、一般的に12月初旬から12月25日くらいまでに相手に届くよう手配します。最近では、年末の忙しさを避けるため、11月下旬頃から贈る方も増えており、特に多忙な方への配慮として早めに贈る傾向が見られます。もともとは12月13日（事始め）から贈るのが習わしでしたが、地域によって贈る時期が異なる場合もありますので、先方の地域の習慣に合わせて贈る心遣いも大切です。

■ 時期を逃した場合の対応：表書きの変更ルール

1. 万が一、年内に間に合わなかったとしても、慌てる必要はありません。必ず贈る時期に合わせて「熨斗の表書き」を変更しましょう。
   
2. 年明けの松の内まで（一般的に1月7日まで）：
   この期間に贈る場合は、表書きを「お年賀」に切り替えます。
   
3. 松の内以降、立春（2月4日頃）を迎えるまで：
   さらに時期がずれた場合は、「寒中御見舞」または、目上の方に対しては「寒中御伺」として贈るのが適切です。
   時期の遅れ以上に「心遣いの有無」が大切です。適切な表書きを選ぶことで、相手への配慮を示すことができます。

心得二：感謝を表す「相場」と、冬の食卓を彩る逸品

■ 心遣いが伝わる金額の目安

お歳暮は、お祝い事とは異なり、お返しを前提としない感謝の品です。相手に気を遣わせないよう、3,000円～5,000円程度を相場とするのが一般的とされています。あまり高額なものを贈るとかえって相手に負担を感じさせてしまうため、お互いに気持ちよく受け渡せる金額を選ぶことが大切です。

■ 喜ばれるお歳暮の傾向

お歳暮の人気ランキングをみると、洋菓子、ハム、ジュース、そしてビールなどの定番品が常に上位にランクインします。年末年始は家族や親族が集まる機会が多いため、日持ちがして大勢で楽しめるものや、季節感のある特別な品が特に喜ばれます。

● 富士錦酒造では、富士山の清らかな伏流水で仕込んだ、新年の晴れやかな席にふさわしい純米大吟醸や、様々な味わいを楽しめる日本酒の飲み比べセットが、大変ご好評をいただいております。特に、この時期だけの「新酒」や「しぼりたて」といった季節限定の日本酒は、特別感があり、お酒好きな方への贈り物としておすすめです。